育児が仕事より大変だという所以は、1つ1つの事象の大変さではなく、同時性が発生しそれが連続性を持つことにある。
この場合の同時性とは、子育てをする「時間」に親が子どもと同じ「場所」にいなければならないということである。
同時性があるということは、根本的な効率化や解決が難しいと言うことを意味する。
育児の同時性そのものを解消するのであれば、保育園やベビーシッターや家族などに預けることが代表的なことである。
だが前述の解消法は一時的なものだ。
親が育児の全ての時間の同時性解消をおこなうことなど不可能だし、育児以外のことで同時性を解消したほうが効率が良いからである。
目次
寸劇~ある日のこと
先日のリンの事で例えるなら、ツイッターで軽く呟こうとするだけで、以下の事が起こることもある。
これから始まる寸劇は娘のセリフは発言・反応を元にリンが一部創作しているが、ある休日の実際の過ごし方にフォーカスしたものである。どうか、しばしの間お付き合い頂きたい。
※リンはスマホ非所持のため、パソコンでツイッターをしている。
午前中~昼食
日本脳炎の予防接種後、帰宅。
午前11時30分ごろ。
https://singlepapaling.com/japanese-encephalitis/
日本脳炎1期1回目は記事にしたが、1期2回目のことは記事にするつもりがなかったので、ツイートすることにした。
一度寝室に向かい、スリープしてあるパソコンを復帰させる。
リン「今朝の予防接種の事ツイートするか」
娘「(なんかおもしろそうなものいじってる)操作させろ」
リン「却下する」
娘「ギャース!(大泣き)」
リン「まぁまぁ、それより昼飯でも食べよう」
娘「許可する」
娘を抱っこしながら階段を降り、キッチンへ。
リン「おにぎり作るから待ってろ」
娘「(おにぎり!)私にも作らせろ」
リン「おう、椅子持ってくるからこっちこい」
娘「あいあいさー」
リン「ご飯を入れて……さぁ、これ(おにぎりメーカー)を振るんだ」
娘「よし来た、任せろ(シャカシャカ)」
リン「おい、ご飯がこぼれているぞ気をつけろ」
娘「パパうるさい!パパのバーカ」
リン「人にバカって言っちゃいけないよ。ほらできた。食べるぞ」
昼食~公園
ご飯を半分ちょい食べたところで……娘が動く。
娘「いらなーい。」
リン「もういらないのか。じゃあ歯磨きするよー」
娘「断固拒否」
リン「虫歯になるぞー」
娘「ギャース!」
リン「よし。歯磨きおわり!昼寝するか」
娘「はーい。」
ベッドで添い寝。
10分程経ち、娘が静かになったので、ツイートしておこうとパソコンの前に移動した次の瞬間である。
娘がムクリと起き上がる。
娘「起きるー。公園行くー」
リン「えー、昼寝しないの?」
娘「しゅな(砂)遊びしゅるー。ミッキーのるぅ」
ミッキーとはベビーカーのことである。西松屋で買ったミッキーマウスのシルエットがついているベビーカーだ。
3歳になってもたまにベビーカーに乗りたがる娘。
いつも乗りたがるわけではないし、体が小さめなので余裕はある。
時と場所が許せば、頭ごなしにダメとは言わない。
公園
公園で1時間ほどすべり台と砂遊びをした後、娘が公園内に落ちている赤い木の実を砂遊び用のバケツへ入れていく。
娘「ねえねえパパー、木の実こんなにとれたぜー」
リン「おおー、いっぱいとれたね」
バケツの中を見ると、木の実から蟻がうじゃうじゃ出てきている。
リン「うわ、蟻さんがいっぱいいるよ」
娘「蟻?みせてー……ギャース!(大泣き)おうち帰るー!」
リン「ちょっと待って、バケツ洗うから」
娘から目を放さないようにしながら、少し離れた水道でバケツを洗う。
トイレから近いためすごく臭い。
息を止めながらバケツを洗うリンは、さぞブサイクな顔だったであろう。
夕方~就寝
帰宅後。服についた砂と手洗いを済ませる。
娘「ラーメン食べたいー」
リン「オッケー。お湯を沸かす間に茶碗とお箸を用意してくれい」
娘「はーい」
ラーメン完成。昼はおにぎりのみだったため、野菜も添えておく。
娘「いただきます。……パパ食べさせて」
リン「しょうがないなぁ。」
娘「グー。おいしーでーす。」
ラーメンは食べるが、野菜は好き嫌いが出てきている。
にんじんをフォークに刺して娘の顔に近づけると、一瞥をくれた後プイッと横を向いてしまった。
赤ちゃんの頃は好きだったのに、今は好きじゃないらしい。
だがいつも食べないわけではなく、にんじんに関して言えば、小さくそしてやわらかくすれば食べてくれる確率は上がる。
結局自分の食事は摂れないまま、夕食は終了。
次はお風呂である。
浴槽を軽く掃除した後お湯をためる。お湯をためている間は、水の出が悪いので洗い物はお風呂の後でおこなう。その間は娘と遊んだり、Youtubeを見ていることが多い。
風呂、洗い物の後は歯磨きだ。
平日はなかなか寝てくれないが、今日は病院へ行ったり、公園で思いっきり遊んだのですんなり歯磨きに応じる娘。
パジャマに着替え、寝室へ。
寝かしつけてから自分のご飯をつくって食べようとしたら娘に気づかれた。
子どもって眠くても良く親を見てるよね。
食事は諦めて、全力寝かしつけモード。
リン「俺、娘を寝かしつけたら、ブログの更新をするんだ……」
フラグが立ちまくりである。
やっとツイッターにつぶやく
翌日の朝。
娘を寝かしつけていたら、一緒に寝てしまっていたようだ。フラグ回収。
今日は午後にリン母が来てくれる日である。
午前中に洗濯物と掃除を片付ける。
掃除を手伝ってくれる娘の姿に癒される。
昼食をこなしたら、歯磨き、昼寝だ。
ラストスパート!短い自分の時間確保までもう少し!
午後1時過ぎ、リン母が到着する。
軽く話した後、2回の寝室へ向かう。
リン「そういえば昨日の予防接種のこと、つぶやいてなかったっけ」
パソコンを立上げ、ツイッターでつぶやく。
昨日、娘の予防接種(日本脳炎1期2回目)へ行ってきました。
1回目と同じく泣かずに終了しました。
先生の注射がうまいのもあるかと思いますが、痛さに耐えた娘を素直に褒めました。— リン@シンパパ2年目 (@singlepapaling1) 2017年10月8日
つぶやこうと思ってから、実に24時間以上。この間は、ほとんど娘と一緒に過ごしている。
リンと娘のように父子家庭であれば、なおさら子どもと「同時に」「同じ場所にいる」可能性が高い。
このように育児には同時性がつきものだ。
寸劇ではツイッターのつぶやき程度であるが、これを家事が溜まっているとか、あなたのやりたいことを30分でもしたいという状況に置き換えてみてほしい。
育児は時間がかかる上に予測できないことも数多く起こるため、逆算してこなすということができない性質のものなのである。
だからはじめにも書いたが、同時性を解消しやすい家事や炊事を効率化していく流れになるのは当然であろう。
掃除をルンバなどの掃除ロボットへ任せたり、食器洗乾燥機や浴室乾燥機などを導入したり、炊事であれば、時短メニューの採用や冷凍食品の活用によって時間を確保していくということがそれになる。
最後に
仕事ももちろん大変だが最終的に売上や経費を抑えていさえすれば、同時性を解消し効率化しても問題ない点で育児よりも楽である。
アウトソーシングや作業の平準化、権限委譲によって自分以外の人間でもできることを増やし、自分は更に違うことをおこなって会社の利益に貢献していく。
もし、あなたが会社や上司から「手抜きだ」とか「それくらい自分でやれよ」とか「(結果安くなったとしても)外部にお金を落としたくない」と言われ、評価されなかったとしたらどう思うだろうか。
育児や家事をしている方も同じである。
育児は効率化するのが本当に難しい。
だから育児以外のシーンでいろいろ工夫して同時性の解消につとめ、育児にかける時間を捻出したり、自分の時間にあてたりしているのだ。
だから育児を頑張っている人へ安易に「手抜きだ」とか「自分でやれよ」なんてことは言わないで頂きたい。
仕事の場合は、生産性をあげたことに対して評価されなければそんな会社は見限ってしまえば良いし、逃げたって良い。
そういう意味でも仕事は育児よりも楽だ。
育児の同時性解消やストレスの軽減には、周囲の気づきが最も重要である。
「いつもありがとう」や「これやっておくからいいよ」はもちろん嬉しいが、できることならばこの言葉を投げかけてほしい。
「子ども見てるから1人で遊んでおいで」
育児を毎日頑張っている人への、一番の言葉である。
今回はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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