先日はリン父の3回忌(2017年3月時点)。
毎年この時期になると、娘のあることを思い出す。
それは娘の初めての寝返りのこと。
目次
赤ちゃんの寝返りはいつ頃から?
赤ちゃんが寝返りをできるようになるのは、一般的に生後4か月~5か月とされていることが多い。早くて生後3か月。遅くて生後9か月~10か月。
だが、もしあなたの子どもが寝返りが遅いのではないかと悩んでいるのなら、それほど神経質になることはない。
寝返りは個人差があるし、リンは特に寝返りの練習などを娘にさせなかった。
寝返りができる前に、一度うつぶせにしたことがあるが、すごく嫌がったのでやめたのだ。
首すわりが、母子手帳を見てみると3か月~4か月頃に記録する項目があったので、それから1か月後くらいのイメージなのか。
ちなみに首がすわるとは、母子手帳の説明によると支えなしに首がぐらつかない状態を言う。
確かに、首がすわっていないのに寝返りは無理そうだ。
娘の首がすわったのは残念ながら、記録を取るのを忘れていて正確な月齢は覚えていない。
が、寝返りをしたのが7か月だから、その前に首がすわったのだということは覚えている。
父の命日と娘の初めての寝返り
全ての発端
父はリンが27歳の時に取引先へ向かう電車の中で倒れ、検査の結果ステージ3の肺がんだった。
がんはステージ1~4まで進行度があり、4が末期がんである。
切除手術をおこない、肺のがんはなくなったが、数年後、新たに胃がんが見つかり、切除手術をおこなった後、通院で放射線治療を続けていた。
父と雛人形
その父が2年前に娘の雛人形を実家から運んでくれて、一緒に飾り付けをしてくれた。
その数日後、いつものように検査に行った父が、そのまま入院となったと母から連絡が来た。
数日で状況は一変していた。
胆管にがんが転移していたのだ。かなり進行している上、父は胃の切除手術も行っていたため、難しい手術と聞かされた。
通常は胃から胆管へパイプを通して手術をするそうなのだが、父にはその胃が切除によりなかったのだ。通常の方法では手術ができない。
しかも、その手術が成功したとしても、余命がそれほど伸びないということも知らされる。
この時点で余命は3か月。
がんの進行速度
リンは毎日仕事終わりに家とは反対方向病院へ行き、面会時間ぎりぎりまで父を見舞った。
昔から接点が多かったわけではなく、何を話すというわけではなかったが、弱々しく横たわる父の様子を見ながら、子どもの時の思い出を頭の中で再生していたのを覚えている。
がんの進行は予想よりも早く、数日で余命は1か月、そして1週間へと早まっていった。
死の気配
いよいよ父の容態が悪くなった。
土曜日で仕事がなかったので、その日は泊まり込んでいた母と交代するために、いつもより早く病院へと向かうことになっていた。
それが、準備に手間取った。
元妻に娘の世話を任せて、予定時間より1時間遅れて車に乗り込んだ。
父の最期と娘の寝返り
リンが病院へ着くと、母と叔母がロビーで泣いていた。
間に合わなかったのだ。
祖父に続き、父の死に目にも間に合わなかった。
だが、そのおかげで母は父の死に目にあえたのだと言った。
なくなった時刻を聞いた後、無言でエレベーターに乗り、病室へ行くと、父は安らかな顔で横たわっていた。
苦しそうな顔をしていなかったのが、せめてもの救いだった。
ひとしきり時間が止まって、我に返り病室を出る。
そのまま外へ出て、電話で父が亡くなった時刻を元妻に告げると、ほぼ同時刻に娘が寝返りをしたと言う。
偶然かもしれない。
けど、父が最期に娘に寝返りを教えてくれたのかな。
そう感じた。
父の命日は娘が初めて寝返りをした日として、リンの心に刻まれたのだった。
それから、喪主としてバタバタと葬儀に忙殺され、1週間後に日常に戻された。
おわりに
寝返りができるようになると、子どもの行動範囲が広がり注意すべきことが増えてくる。
- 寝返りした先に口に入るものなど危険なものを置かない。
- 寝返りにより、うつぶせになったままとなり、柔らかいマットクッションなどで窒息のおそれがあるので、配慮が必要。
- 寝返りして落下の危険があるので、柵がないベッドに寝かせない。
リンは父の病院へ行く途中だったので、見ることはできなかったが初めての寝返りは親にとってすごく感動的なことだろう。
しかし、個人差があるので子どもの寝返りが遅くても心配しなくても良い。
父の告別式後の会食中、娘は覚えたての寝返りで親戚一同の雰囲気を和やかにした。
「じぃじが教えてくれたんだよ」
当時娘は喋れなかったが、そう言っているような気がして、リンが代弁して周りに話した。
初めての寝返りにまつわるエピソード。
今回はここまでです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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